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い つ か の 鼻 歌
2025.2.18
世界はどっさりある
 "Travels with Charley"


 


 ...なんでまた、実現できっこないプロジェクトに自分を巻き込んでしまったのか、とおもった。まるで小説を書きはじめるようなものではないか。...


 


 ...500ページを書くという荒涼としたありえない原野を前にすると、失敗するだろうといういやな気分に襲われ、ぜったいできないとおもう。いつでもそうなる。...


 


 ...そして徐々に、1ページ、また1ページと書く。一日にできることだけに集中し、終わるなどという可能性は捨てる。...


 


 ...テクニックはわたし流のやりかたで身につけるしかない、つまり、失敗を繰り返すだけだ。...


 


 


 ...目を覚ますと陽が昇っていて、世界は打って変わって光り輝いていた。さまざまな日の数だけ世界もどっさりあるのだ。そしてオパールの色と炎が日に応じて変化するように、わたしも変化する。夜のおそれと孤独ははるか遠くに行ってしまい、もはやおもいだすことすらろくにできなかった。...



 text:"Travels with Charley"
 ジョン・スタインベック『チャーリーとの旅』(青山南 訳)より抜粋



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カテゴリー:いつかの鼻歌
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